当社の事業とは
当社は、ナノフォトニクス技術を応用した量子ドットデバイス技術を用いてHDD(ハードディスクドライブ)の記録面密度を向上させるための画期的な方式の開発に取組んでいます。
動画配信やIoTのように生活や社会のデジタル化の進展によって流通するデジタルデータ量の急拡大に伴い、データを保存する記録媒体市場も急拡大しており、特に消費電力の大きいデータセンターに設置されているHDDの記録面密度の向上は地球温暖化防止の観点からも早急に対処すべき大きな課題といわれております。
当社が開発中の方式は試作の段階でありますが、同分野で現状採用されている方式の課題を解決する理論的にも優れた画期的な方式であり、その市場規模は大きく、同分野の権威であるアメリカの大学や国内最先端の研究機関、事業会社との連携体制も検討されていることから、短期間での実証と、成功時には大きな成長が十分期待できます。
データセンターの需要とパラドクス
一般家庭の電化製品などが直接インターネットにつながるIoTや誰でも可能になった動画配信、ビッグデータの活用拡大、自動車の自動運転や通信方式の高度化など社会のデジタル化が急速に進むに従い「情報爆発の時代」といわれるようにネットを行きかうデジタル情報の量いわゆるネットトラフィックは今後5年ほどで5倍を超えて増加するとの見方もあるように増加の一途をたどっています。これらすべてのデジタル情報はいわゆる「データセンター」や「クラウド」にいったん蓄えられますが、そのために膨大な数量のHDDが稼働しています。このようなデータセンターの運転には多くの電力を必要としすでに世界の総電力3%が消費されています。データセンターで取り扱えるデジタルデータの量を増加させることはネットトラフィックを維持する上からも喫緊の課題です。その一方で多くの電力を消費するデータセンターの省エネルギー化は環境負荷を低減し地球温暖化防止の観点からも重要視されています。当社技術を用いてハードディスクの記録密度を10倍にすることで2030年には2019年の日本の国内総排出量に匹敵する約11億トンのCO₂を削減できる見込みです。
これはパリ協定に基づいて今世紀後半に向けた温室効果ガスの排出削減を達成するうえで大きく寄与できる数字です。
ハードディスクドライブの現状について
前にも述べたようにIPトラフィックの増加に対応するため、また消費電力の増加を抑えるためクラウドも含め蓄積可能なデータ容量の大幅な増強が必要とされますが、これに対応するためには、現在のHDDの記録密度を大幅に増大する必要があります。一方、現状この記録密度の大幅向上に対応する技術は現実的には確立されているとは言い難い状況です。
当社の技術について
当社は、HDDの記録密度を大幅に向上させるためナノフォトニクス技術に基づいた独自の技術を開発しております。この技術により、従来の記録密度を10数倍にすることができます。
この技術を実用化しHDDの性能を飛躍的に向上させるとともにネットトラフィックの維持向上と消費電力の抑制を両立しつつカーボンニュートラルな高効率社会の実現に貢献してまいります。